決断も判断もできない経営陣|【実話】倒産寸前からの企業再生

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成長期:堅調な業績推移
混乱期:業績不振から倒産寸前
再生期:企業再生、V字回復

決断も判断もできない経営陣|【実話】倒産寸前からの企業再生

当時、毎月1回程度必ず経営陣と事業部の会議が開催されていました。
議題としては目標の達成状況とその要因分析、戦略や投資の履行状況、重要施策の事前調整などが主なものでした。

今回の話はメディア事業部のことですが、メディア事業部は事業基盤のしっかりした事業でしたが、さらなる拡販を目指してFacebookを絡めたプロモーションの取り組みをしようとしていました。
今でこそFacebookのプロモーションは一般的なものの当時としてはその取り組みは非常に目新しく、すぐにでも着手したくなるようなチャンスある取り組みでした。

しかし、経営判断に直感だけではだめだということも理解していますので、マーケティングの実施など経営企画部もバックアップしながら、論理的な説明資料も用意しました。

このビジネスを成功させるための一番のポイントはスピードでした。Facebookを始めとするIT、特にSNSは変化が激しいため取り組むからには今日からでも始めることが最大のポイントだったと思います。

何も決まらないまま過ぎる会議、疲弊する現場

その取り組みの提案は4月の会議で提案されました。
提案が4月だったのは構想が具現化してきたのが3月だったということもありますが、その年の目標を達成するために4月から取り組んでスタートダッシュを切りたいという思いもありました。

提案書は難しいものではありません。ビジネススキームをメインとして、趣旨、背景、マーケティング分析、収支シミュレーション、スケジュール、PJ体制といったものです。
おそらく一般的な提案書だと思います。なぜ、誰が、いつ、どのように、いくらでといった基本要素が入っているため、おおよその合意をもらえるものと思っていました。

しかし、経営陣から思いもよらぬ言葉が出ました。

「で?具体的にどうするの?」

具体的なアクションプランはPJをキックオフさせた後に役割分担と一緒に一気に決めて進めようと思っていました。
まさか方針や概略の合意が何も得られていない中で具体的なアクションプランまで問われるとは考えていませんでした。

ただ、それがリクエストであるならば応えるしかありません。
次回の5月を目指してアクションプランを作成します。しかし次の会議でも思いもよらぬ言葉が出ました。

「各論の話をしてどうする?全体像が見えない。」

先月既に説明しましたとは当時は言えない雰囲気にありました。仕方なく6月に4月に提出していた全体像が書いてある提案書を再度出すことにしました。
しかし、6月の会議でまたもや耳を疑う言葉が出ました。

「で?具体的にどうしたいんだ?概略の話ばかりで具体的にどうするのかわからない。」

頭のなかは「??」でいっぱいです。具体的な行動計画は既に5月に説明しています。スピード勝負である提案であるにもかかわらず既に3ヶ月も要しています。
この間にも競合他社は何社かプレスリリースが相次いでいました。
正直この時点で事業部も経営企画部も熱が冷めていました。

それでも求められたら応えるしかありません。7月には全体像からアクションプラン、業務フローなど大小様々な資料を提出しました。
すると7月の会議では

「資料が多すぎるのではないか。言いたいことはまとめてほしい。」

と言われました。言い方は変わっていますが、結局は4月に提出していた資料を再度求められたことになります。
仕方がなく4月に出した資料を説明すると、

「本当にこれでいいのか?一度頭を真っ白にして再考するべきではないか。」

と指示がありました。

決断も判断もできない経営陣

こういったやり取りを繰り返し半年間続けました。もちろんこの取り組みは最後まで実現することはありませんでした。

経営企画部としてあらゆる会議に出席しましたが、どの事業部でも同じことが起こっていました。どのような提案であってもほとんど押し返されていました。
中には「じゃあどうしろっていうんですか!」と言った責任者もいましたが、感情的に訴えても何も変わりませんでした。

このようなことを続けていたため、この混乱期は全くビジネスが進むことはありませんでした。

「決断」は簡単には覆せないもので時には論理性を欠く中で行わなければなりません。直感力も必要です。
一方で「判断」は論理的なデータが揃っている中で行動を選ぶことです。

混乱期におけるこの経営陣は決断力と判断力があるとは言いがたく、とにかく先延ばしの議論があまりにも多かったように思います。

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