顧客ニーズも調べず新商品!?典型的なプロダクトアウト思考|【実話】倒産寸前からの企業再生

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成長期:堅調な業績推移
混乱期:業績不振から倒産寸前
再生期:企業再生、V字回復

顧客ニーズも調べず新商品!?典型的なプロダクトアウト思考|【実話】倒産寸前からの企業再生

新商品を開発するとき、みなさんはどうしますか?

既に基盤とする事業があるなら日々の営業をしているときにお客様の声を拾ってきて商品部に伝えるのでしょうか。
また、潜在ニーズを狙うなら仮説とリサーチ、サンプル作成とテスト販売を繰り返して企画していく企業もあるでしょう。最近ではFacebookでお客様と作り上げるといった先進的な取り組みもあります。

共通していることとして、起点となるのはお客様の声ですよね。

もちろんこれをやったからと言って必ずしも成功するわけではないです。しかし、お客様の声をベースに置くことは重要で、お客様の年齢、性別、家族構成、価値観、ライフスタイルまで想像できるようになります。

さらにその商品を使っている姿も想像できるようになり、よりリアル感が増していきます。
そうすると自ずとその後の販売戦略、どこでやプロモーション戦略などが見えてくるはずです。

例えば化粧品だったとしましょう。40歳代女性をターゲット、子どもが小学生になり、子育てが一段落。今まで子育てに一生懸命だったけどふと気づくと自分もシワが気になる年齢になっていた。最近の楽しみには月に2回のママ会。そこで、「あれ?奥さん化粧品変えた?なんか若くなってない?」「そうなのよー、実はね・・・」、といった生活まで想像できます。

ここまで想像してくるとこの奥さんが想像上の人物から身近な誰かを連想できるほどにリアル感が増しているはずです。その方が見ているTV、雑誌も想像でき、情報源は新聞ではなく、スマホかも・・・など仮説をたてることができます。

そうすることで販売場所、プロモーション方法もどんどん現実感が増し、明確になってくる、ということです。本来商品開発はそういうものであるべきです。

プロダクトアウト思考(作り手目線)の新商品開発

お恥ずかしい話ですが、当社はそういうことがあったことがありませんでした。あるから売れる、あったら売れる。マーケティング用語で言うところのプロダクトアウト思考の典型でした。

商品開発会議でこのようなことがありました。

開発担当「今度発売する新商品○○です。今トレンドの時間がない奥様向けの時短化粧品です。」

経営企画部「あー、確かに忙しい奥さんは時間ないから時短がいいみたいだね。」

開発担当「そうなんですよ。絶対売れますよ!」

経営企画部「販売目標はどれくらい見込んでいるの?」

開発担当「それはこれから検討していきます。」

経営企画部「検討って・・・?まだ決まってないの?どこへ売るの?プロモーションは?」

開発担当「とりあえず今までの取引あるドラッグストアがあるのでそこへ置いてもらおうかと。プロモーションは営業にチラシを渡そうと思っています。とりあえず1万部用意するつもりです。」

経営企画部「既存取引先を回るだけ?販売戦略は?1万部も配れるの?」

開発担当「とにかく営業には1万部配りきらせます。部長からも営業マンに1万枚配布を絶対達成するよう指示してもらっています。」

経営企画部「配り切ることを目標にしてどうするんですか!目標は販売目標でしょ!」

開発担当「先ほど申し上げたとおり販売目標まだ立てておりません・・・・。しかし既に3,000個OEMで発注しておりまして、売れ行きを見つつ徐々に追加発注していきます。」

経営企画部「3,000個も発注して本当に売り切れるのでしょうね。」

開発担当「トレンド商品なので作ればおそらく売れます。毎月最低100個は売れるのではないでしょうか。なので時間はかかるかもしれませんがいずれは完売するのでリスクはないかと思います。」

経営企画部「リスクがない・・・?」

こういったずれたやり取りが続きました。

お客様の声を無視

商品の企画はお客様の声があってしかるべきなのですが、一切そういう考えはありませんでした。商品販売部が言うにはとにかく「取引先に化粧品メーカーがいる。化粧品は人気なので作れば売れる。」というような考えでした。そこにお客様の声は一切反映していません。

しかもOEMを作って頂く化粧品メーカーの選択もベストの選択とは思えませんでした。今まで付き合いがあるということだけでコンペもせず、先方の出す条件を鵜呑み。先方ができないといえばできない、価格も言い値でした。
そのため、競合他社の商品よりも高価で、質もそれなりでしかないというような商品が多々あったように思います。

営業マンにもとばっちりがあります。作っている本人達も顧客ニーズをわかっておらず、販売戦略もないため、とりあえずチラシを渡されて売ってこいと言われます。そうすると営業マンはどうしても「買ってくださいよ~」というようなお願い営業にならざるを得ませんでした。つまり、営業マン自身、お願いをしなければ売れない商品だと思っていたということです。

お願いされるお客様もたまったものじゃありません。1回ならまだしもこのような体質が続いたため、2回、3回と毎回付き合いで買って頂くお客様もいたのです。不幸なことにも親会社がそれなりに大きな会社であったため、企業のパワーバランスでお買い上げ頂いていた企業様もいらっしゃったかと思います。

今、改めて思い起こしてもひどい有様だと思います。お客様の声が届かない企業はこうもおかしな方向に行くのかと思いました。

方向性を見直したかったのですが、混乱期のこの時期はプロダクトアウト思考が社内の大勢を占めていることに加え、その思考は上役が中心だったため歯がゆい思いをしました。

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